2012年12月10日

ショートショート「受験日」(『一行でまとまる“描写の真髄”』の続き)&短編12ヶ月11月期ご感想を頂戴いたしました!

 お昼ですので、こんにちわ。

 やるべきこととやりたきこととは、質よく、きっちり、なんとか行えておるかと存じます。

 引き続きまして、がんばります!



 で。
 
 先日、わたくしが書かせていただきました、

『一行でまとまる“描写の真髄”』
http://hexaquarker.sblo.jp/article/60585097.html

という記事に、ひろひらさんからコメントを頂戴し(ありがとうございます!)

http://hexaquarker.sblo.jp/article/60585097.html#comment

それに触発されて、ショートショートを一つ書いたので、
以下に貼り付けますです。


――――――――――――――――

『受験日』 進行豹 /原案:ひろひらさん


「ねぇ、あそこ。事故でもあったの?」

佐和子さんが指差す方を見てみれば、
コート姿の――中学生くらいの少年が、熱心に手を合わせてる。

その先には、お地蔵さんもお堂も石碑も何もない。
ただ、一本の国道と……ああ、いや。

「事故じゃないと思いますよ、佐和子さん。
今日は、高校受験の日なんですよ、多分」

「受験?」

「ええ、だってほら。あそこ」

国道の端、カーブの傍らに据え付けられている退避所。
そのさらに端に無造作につまれているのは、砂袋だ。

「ね?」

「え? なにが、“ね?”」

「ええ? だから、砂袋ですよ」

「へ? 砂袋が何? この辺、そんな宗教でもあるの?」

「宗教? ――――って、ああ!」

そうか、そうだった。
佐和子さんは、四国出身だって聞いてた。

なら、きっと路面は凍結しないんだ。

「このへんは、雪も降るし、雪を溶かせば道が凍るし、
ひどいもんなんですよ、スリップが」

「スリップ?」

「だから、砂袋があるんです。
中の砂を、氷の上に撒くための」

「撒くって――なんで? って、あ!」

ぱん、と大きな音をたて、
佐和子さんは薄い手袋の手を打ち鳴らす。

「滑り止め!」

「そう、すべり止め。滑らないための用心。
だから」

「受験生! 拝む! なるほど!!! ――って」

急に動いた佐和子さんの視線を追えば、
少年はもう、足早にそこを立ち去っている。

「そんなに慌てると、スベっちゃうよー」

「大丈夫ですよ。地元の子ですから」

靴を見れば一発でわかる。

佐和子さんみたいな華奢な靴、地元の人間は冬には履かない。

「そっか。このへんの子は真面目だもんね。キミみたいに」

くすくす、佐和子さんは笑う。

「時間とっちゃったね、いこっ!」

そうして、僕に手を伸ばす。

彼女が転んでしまわないよう――僕はその手を、大切に取る。


(おしまい)

――――――――――――――――


 特にそれ以上でもそれ以下でもないのですが、
「こういうキャラクターごとの目線の違い」を把握することこそが
「視線の個性を出す描写」へと繋がるのではないかと、
わたくし、思ったりいたしましたわけなのです(スネークフット)


 で。

 それはそれとし、



『合同短編練習企画 短編十二ヶ月』


へのご感想もGoShuさんから頂戴いたしましたので(ありがとうございます!)

http://hexaquarker.com/tanpen_12/kanso_11gatsu_goshu.html

にアップロードさせていただきました。

 上記バナークリックからご確認いただけます作品群とあわせご確認いただけましたら――と存じます!


 と。
 ひとまずは以上、ショートショートとご感想ご紹介とご報告とまでにて、日誌の方結ばせていただきます。

 今日もいちにちがんばります!

 そして、みなさまの本日がたくさんの笑顔と安心と安全とあたたかさとに満ちたものとなられますこと、願います。

 おたがい、よりよい今日をすごしましょーです!
posted by 進行豹 at 13:11| Comment(3) | TrackBack(0) | 製作日誌