おはようございます。
まずは、先日のわたくしは
【声案件 : 1シナリオを仕上げ →ご提出】
という進捗をこつこつ重ねましたこと、よろこんでご報告申し上げます。
んでもって。
残り二本の声案件を終わらせますと、
わたくし 『超大区切り』をつけることができまして!
以降は、【新企画】へと移行していくことが出来ます!!
で、この企画期間に、「対人取材力をアップさせたい!」と願いましたわたくしが、

『エロゲ界隈100人インタビュー!』という企画を立ち上げさせていただきましたことは、
先日ご速報させていただきたしたとおりです。
で、この件をご案内いたしましたとき、プレイヤーさんから、
>シナリオとライティング(テキスト?)の違いが良く分かりません。
>簡単で結構ですので、参考までに教えていただけませんか?
――というご質問をいただきました。
http://hexaquarker.sblo.jp/article/93707647.html#commentので、本日は、そちら、わたくしなりの解釈にてで恐縮ですが、
ご返答させていただきたく思います。
まず、
「シナリオ と テキスト」の違いですが。
「シナリオ」 とは 『完成された、ひとまとまりの物語』(の台本)であるとここでは定義します。
「(台本内に)に書かれている“物語内容そのもの”」が、シナリオです。
そして「テキスト」とは、「その物語を構成している、“文章”そのもの」だと定義します。
つまり、テキスト(文章)の集合体が、シナリオ(物語)であるわけです。
おおまかに、「シナリオ担当とテキスト担当」といった場合には、
『お話を作る人(シナリオ担当)』 と 『文章を書く人(テキスト担当)』といった具合に
解釈すれば、まぁまぁ、大きな齟齬は発生しないのではないかと考えます。
で。
上記 『お話を作る』という言葉は、あまりにも広すぎます。
ので、ここでさらに、その言葉を 『企画』と『プロット』とに細分化します。
『企画』は、さらに。
「プロデュース」 と 「根幹設定」 とに細分できます。
プロデュース、とは「目標」と「お金」と「人事」と「スケジュール」とを
定めるお仕事であると、わたくしは理解しております。
ここは、わたくしの守備範囲の外であるので、
上記、ざらっと触れるのみにてスキップさせていただきます。
で。
プロデューサーさんがご決定くださった、「人事」において、
わたくしが「企画」をお任せいただけることとなった場合、
わたくしは、ご決定いただいた仕様を最大限尊重しつつの
「企画(のうちの、根幹設定)」のお仕事に入らせていただきます。
これは、(お任せいただく物語が)
「どんな世界観のお話で」
「どんな登場人物が出てきて」
「物語を構成する根幹のアイデイアは何で」
・・・みたいなことを、具体的に資料化、文章化していくというお仕事です。
ともないまして、『物語や世界観の根幹部分』 が、ここで出来上がってまいります。
例えば「ものべの」(無印)の場合であれば、
<妖怪と人間とが共存する、地域信仰が根深く生活を支えている孤立山村>
で
<主人公と、その妹。幼なじみと、主人公を守護するあやかしたち>
とが、
<突如、主人公の妹を襲った異常成長の原因を探るべく、力をあわせて奮闘努力するお話>
――くらいのざらーーーーーっとしたことが、
ご提案→修正要望頂戴→修正・再提案→
といった繰り返しの中、定まっていきます。
定まりましたら、その内容と、
「このお話ではこういう魅力を出せますので、そこで勝負していきます」
みたいなポイントの明示と、その他必要なあれこれの簡潔な記載を行った
『企画書』をまとめ、ご提出申し上げます。
これにOKいただけたら、それにともなっての
『キャラクター設定』
や
『背景(世界観)設定』
を、じわじわじわじわと詰めて参ります。
各種設定が具体的に固まりましたら、
お話作りは『企画』から『プロット』のフェーズへと移行します。
『プロット』とは、「物語の具体的な設計図」です。
これは、わたくしの場合は、「シーン割り」から始めます。
例えば、全10シーンで共通ルートを構成するという仕様であれば
1シーン目 : 「主人公と妹とが故郷へ帰ってくる」
「妹は、故郷のことを何故か、まるで覚えていない」
「故郷の村では、あきらかに人間ではない妖(化け傘)
までもが、主人公のことを迎えてくれる」
2シーン目 : 「生活必需品を買い出ししなければいけないこと、その理由を説明」
「買い物を通じ、キャラクターや、町の様子を見せる」
――などという感じに、
『お話を、大雑把にきりわけて、どこで何を書くかを決めていく』作業となります。
シーン割りが終わったら、各シーンごとのプロットを、もっと具体的に詰めていきます。
さらに詳細なエピソードを設定したり、キーとなるセリフを配置したり、
と言った感じに「具体的な詰め」をすすめます。
『設定とプロットとを合わせてみれば、
どのライターさんが書いても、道筋と結論は同じ物語に仕上がる』
というくらいまで書き込めたら、上等なプロットが仕上がっている・・・ということに
なるのではないか、と個人的には思っております。
そのようにプロットが定まったら、
いよいよ物語作成は、最前線での実戦――ライティングへと移行していきます。
『ライティング』とは、プロットという設計図にしたがって、
物語を実際にテキストをもって組み立てていくお仕事です。
つまりは「書く」ということです。
同じイベント内容でも、ライターさんによってその書き方は大きく変わってきます。
例えば、
『主人公は、思い出のグラスを割ってしまい悲しみに沈む。
しかし、ヒロインの支えにより、過去ではなくて未来を見ようと思い直し、立ち直る』
というプロットがあったとして。
「主人公自身が、思い出のグラスを割ってしまう」
と解釈して書くライターさんもいらっしゃるでしょうし、
「ヒロインが自分でグラスを割っちゃておきながら、
あっけらかんと主人公を励まして立ち直らせちゃうほうが面白いしキャラクターも生きる」
と解釈して、お話をふくらませて書くイターさんもいらっしゃるかと思います。
(*それがイヤなら、
プロット段階で「主人公は自分のミスで思い出のグラスを割ってしまう」
と書いておけばいいのです。そう書かれて以上、
前者、後者、どのライターさんのご解釈も“あり”だと、この時点では
わたくしとしては思います)
キャラクター設定、プロット全体がしっかりして、
ライターさんがしっかりとそれを解釈してくださってらっしゃる場合には、
着地点は同じになりますので、
(「より面白さを増せた」のであれば)
後者のライターさんの方が良いお仕事をされたことになります。
しかし、設定されたキャラクターと上記の解釈がズレてしまっていて、
「単なる思いつきでお話を崩して、着地が無理矢理になってしまった」みたいな結果を
招いてしまうのであれば、後者のライターさんは良いお仕事をされなかったことになります。
同じお洋服の型紙から、
すごく素敵なお洋服を仕上げる方がいらっしゃるのと、
そうでない仕上がりにしかもっていけない方がいらっしゃるのと、同じことです。
プロットは、ライティング次第で生きも死にもします。
ですので、ライティングは「極めて重要」となります。
しかし、そうと意識をしていても。
(少なくともわたくしの場合は)ライティングが一発で決まることなど、ありえません。
自分が企画・プロットをしたお話でさえ、
書いていくうちにどこかをずらしてしまったり、
調子に乗ってバランスを崩してしまったり――ということは、
絶対に出てきます。
そこで、『リライティング』という、仕上げのお仕事に取り組んでいくこととなります。
リライティングとは
『企画、プロット、実際にライティングされた原稿をを確認し直し、
バランスを損ねた部分を見つけたら、最低限の作業をもって、そこを修正していく』
ことが基本となるお仕事です。
ここで厳守すべきは 『最低限の作業をもって』ということです。
お話が完成しているのであれば、最低限以上の修正をくわえてしまうことは、
「完成しているお話のバランスを、リライトによって崩してしまう」ことになるからです。
(「企画やプロットそのものの変更があった」などの場合は、
「いちからの書き直し」=「フルリライト」を行うことがありますが、
これは厳密には『ライティングを最初からもういちどやっているだけ』なので、
狭義の「リライト」にはあたらないように、わたくしは解釈しております)
――このようにしてリライトまでが満了すれば、お話がひとつできあがります。
思ったよりも長くなってしまいましたが、
以上が(わたくしの解釈する) 「シナリオとテキストとの違い」になります。
少しでもご参考にしていただける部分ございましたら、幸いです。
と、いうことで本日の日誌は以上までにて。
お互いに、よりよい今日をすごしましょーです!!