と、いうことで中編
http://hexaquarker.sblo.jp/article/158187154.html
の続きでございます。
有馬温泉にいくために、三田から神戸電鉄に

乗り込んだ田上さんとわたくしは、あれやこれやと楽しくお話し、
楽しくお話するうちに、列車は終着駅につきます。
「ここから乗り換えで有馬温泉ですね!」
と飛び出したわたくしは、目の前にあった駅名標に、見知らぬ文字列を見つけます。
『ウッディタウン中央』
――さて。
ここで一枚前の写真、神戸電鉄1000形車両の写真をご確認ください。
行き先表示は確かに、『ウッディタウン中央』となっております。
つまり! 「一本でも早い電車を」と急ぎすぎたわたくしは、
三田駅から有馬口駅へと向かう神戸電鉄三田線ではなく、
三田駅からウッディタウン中央駅へと向かう神戸電鉄公園都市線に乗ってしまって――
というか、田上さんのことまで引っ張っていってしまったのでございました!!
「これは頭を丸めてお詫びするしか」と思いつめるわたくしに、
田上さんは、「いやいや、地元の自分がしっかり確認するべきでした」と
優しい言葉をかけてくださり。
かくしてわたくしたちは、分岐駅である横山駅まで戻り、
有馬口-有馬温泉と乗り継いで!
そうして、見事!
有馬温泉駅へと到着したのでございます!!!(歓喜
有馬温泉駅は、駅周辺ふくめた全体が、非常にのどやかな雰囲気で、
ひとかげもまばらで、とても日本屈指の温泉街とは思えませんでした。

「おすすめの日帰り温泉などがもしもあったら」とお尋ねしたわたくしに対し、
田上さんは、
「この辺の山は良く走りますが、温泉に入ったり観光したりはしたことが無いんですよ」
と申し訳無さそうにおっしゃられます。
「山を走る???」と、さらに尋ねてみたところ、
1:田上さんの趣味はトレイルランニングという、山を走るスポーツである
2:トレイルランニングの大会で、田上さんは一着でゴール。
(けれど、山道は狭いので、時差スタートをする関係で)、タイム二着、
という堂々の成績を上げたこともある。
3:何故トレイルランニングを始めたかといえば、
倒れてしまって仕事に穴を開けてしまい「これではいけない」と考えたから。
それで食生活や運動環境の改善を続けるうちに、
「菜食基本の食生活+トレイルランニング」が自分にはあってるらしいと落ち着いた。
4:その結果、体脂肪率は5%以下で安定し、風邪をひくこともなくなった。
5:が、トレイルランニングも食生活も、結局はただ体調を整えるための手段。
体調を整えるのは、少しでも長く絵を描き続けたいから。
――というお答えをいただきました。
そのお答えに、わたくし 「すげぇ」と素直に深く関心し。
初対面のときに覚えた 「この人なんかすげぇ」「透徹してる感じがする」
という直観が、正しいものであったということを深く理解したのでした。
で。
その理解から導かれます、現状認識に関する結論は、
「田上さんは有馬の温泉街に詳しくなく、
田上さんに丸投げしようと思っていたわたくしは、まるでノープラン」
というものとなりました。
ならば、足で稼ぐしかありません。
田上さんの健脚ぶりとはくらべるべくもございませんが、
わたくしもくっそ重いカメラバックを背負いながら、
「取材先では、その土地の全景を撮れる高い場所からの一枚を忘れないでください」
という、至極ごもっともなご依頼にお答えすべく、
えっちらおっちら階段をのぼりおりすることを繰返してきた人間です。
この角は右、階段を登ったら左、と、足の向くままに歩を進めていきましたわたくしたちは、
やがて、六甲山ロープウェイの有馬温泉駅に到着いたしました。

「せっかくなので乗りましょう」と田上さんをお誘いするとご快諾いただけ、
そそくさとロープウェイに乗り込みまして、

六甲山頂駅へと辿り着き。
六甲山頂駅では、謎の建築物

を発見し、

その内部へと入っていったりいたしました。
……謎の建築物の内部は、外界より少しひんやりしておりました。
そして、その他には、まったくなにもございませんでした。
――と、いうわけで再びロープウェイで有馬温泉駅へと戻った田上さんとわたくしとは、
ロープウェー駅近くの「かんぽの宿」で、温泉につかることといたしました。
有馬の温泉は「金の湯」というものがつとに有名と聞いておりましたが、
実際、お湯は金色でした。
かんぽの宿の日帰り入浴は600円で、サウナも何もないシンプル極まるお風呂でしたが、
それだけに金の湯の存在感はいや増して、わたくし、たっぷりと骨休めさせていただきました。
たっぷりと湯につかったあとは、おいしいものを――ということで、
駅へ向かう途中にあったレストランに入り、神戸ビーフのカレーなどを美味しくいただきました。
(基本菜食の田上さんは、、
「人とあうときには、肉でもなんでもがっつり食べる」という方針だそうで。
それを事前にお伺いしていたので、構えることなくメニュー選択が出来ましたのです)
で。食後まったりしているときに、
(田上さん面白い。もっと深くお話聞きたい!)と思いましたわたくしは、
「いきなりですみませんが」と、
同人誌
http://hexaquarker.com/erg100/erg_100.html
に載せるためのインタビューをさせていただけないか、と
恐る恐る打診させていただきました。
すると、田上さんは「いいですよ」とご快諾くださり!
その上
「列車が出るまで、まだ時間ありますよね。この後このままインタビューでも大丈夫です」
と、大変に男気溢れるご提案をくださいましたのです!!
そこでわたくし、すぐさまにペンとメモとを取り出し、
己の興味がおもむくままに! 田上さんにがっつりとインタビューをさせていただき、
また、
「『ものべの』をあれほどに美しい世界に、空気に仕上げてくださった右手!」

のお写真を撮らせていただいたりもいたしましたのです!
上記インタビューの内容は、今回の夏コミで発行する
『エロゲ界隈100人インタビュー コピー誌版 vol2』に掲載させて頂く予定ですので、
ご興味お持ちくださった方におかれましては、
どぞどぞ、続報の方お待ちいただけますととてもうれしく存じます!
――で。
温泉入り、お腹いっぱいたべ、
田上さんのお話をじっくり聞かせていただくうちに、
有馬は夕暮れ時を迎えてしまっておりました。
名残惜しくはありますが、帰りの電車を逃してしまえば、
東京行きのムーンライトながらに乗りそびれ、
大垣で一泊を強いられることとなってしまいます。
ので、田上さんに
「またぜひ! お会いいたしたく思います!!」
とお伝えし、
「ええ、ぜひそうしましょう!」
との嬉しいお言葉を頂戴し――
そしてわたくしは電車を乗り継ぎ、
かえりのながら

の昭和の匂いのするシートに埋もれながら。
「田上さんは、エルフの[修道僧'モンク]のようなお人であったなぁ」
という感想を、しみじみと胸にめぐらせつつ、幸せな眠りに落ちていったのでございました。
(おしまい)
――と、今回の旅行のレポは、ざっとでありますがこんなところでございます。
と、いうことでひとまずは。
お互いに、よりよい明日をむかえましょーです!