2016年11月18日

「ぬいハチ物語」の書き方 〜その6:エピソードを並べ換えよう〜

さて。

前回

http://hexaquarker.sblo.jp/article/177688588.html

までで、
あなたの「ぬいハチ物語」には、骨と肉がつきました。

とりあえず動き(書き)出してみましょう。

そのままスムーズにいけるのであれば、問題無しです。
ぜひぜひ、書ききってしまってください!

けれど、どこかで詰まってしまったり。
書いていくうちに自分で
「これ……思ったほど面白くない?」となってしまったり。

そういうときには、いったん手をとめ、
「構成」を見直してみましょう。


『構成is何?』と問われましたら、わたくしはこう答えます。


『構成』とは、
「お話を肉付けるエピソードを、
 どの順番で書いていくかを決める作業」
です、と。

第三回か第四回か、そのあたりにも書いたと思うのですが、
お話において極めて重要となるもののひとつに
『メリハリ』があります。

先人いわく、
「お話は、とんとんバーン!」
です。


つまり、
「1、2、3、4」「とん、とん、とん、とん」
と進むお話には意外性・メリハリがつきづらいので、
意識して「バーン」といく。
「1,2、10!」といってしまう――
一気にお話が破調する、飛んでしまう、勢いよくいく
――部分をつくるように、というアドバイスだと、わたくしは解釈しております。


また
「Don't start at starting」
すなわち『はじまりからはじめるな』という格言もあります。

これは、(時系列の)始まりからいくと、
「1、2、3、4」
となってしまうので――

「4、1、2、3」といったりしろ――
つまり「バーン!」をド頭にもっていけ、
という格言だとわたくしは解釈しております。


これらは、プロ向けの、
「読者の良い反応を得るため」
の実践的な格言です。

のですが、
「書き手は、一番最初の読者」でもあります

のでので、
「書いている自分が『ん?』となってしまわぬように、
メリハリの付け方――
すなわち『構成』を意識することは、
物語を書き続けていくために、非常に有効な手段となる」
わけです。


構成のやり方にはいろんな手段がありますが、
一番初心者向けで、かつずーっと使っていける方法を
ひとつ、ご紹介いたします。

それは
『紙に書いて並べ替える』という方法です。

具体的に参りましょう。


わたくしが前回のワークで用意した、
「わたくしの(仮)ぬいハチ物語」
のためのエピソード群は、



********************


■1■

6/22 
「ぬいハチロクのますたぁが、
39685の解体阻止署名を集め始める」






■2■

7/2

「ぬいハチロク D51の整備体験にいく」





■3■

7/7 
「ぬいハチロク、39685が解体されないようにと、
七夕さまに願いを託す」





■4■

10/2 
「ぬいハチロク、三次SL保存会様見学にいく」






■5■

10/22
「願い虚しく、39685、解体」






********************

です。

これを、5枚のメモ用紙に、
ひとつひとつ書いていきます。


<1枚目 ますたぁ署名集め>

<2枚目 デゴイチ整備体験>

<3枚目 たなばた様>

<4枚目 三次のハチロク>

<5枚目 39685、解体>

――自分で内容が把握できればいいので、
メモの内容自体は簡潔でかまいません。


そしたら、このメモ用紙を、
<任意で>でも
<適当に>でもいいので、並べ替えてみます。

・・・せっかくなので、今回、
ひとまずはランダムに並べてきます。

「21435」と出たので、その順番で。


デゴイチ整備体験

ますたぁ署名集め

三次のハチロク

たなばた様

39685解体


――そしたら、ざらーっとお話の流れを考えてみます。
今の時点では、脳内で、ぼんやりとでも全然かまいません。

もしできるようなら、以下のような感じで、文書にしてみるとなおよいです。

********************


デゴイチの整備体験の描写からはじめる。
真っ黒になって帰ってくる。
ひとはを(ぬいハチロクの妹)を登場させて、

「おねーちゃん真っ黒ですよ!
 なんでそんなになったんですか?」
「デゴイチの整備を」
「どーしてデゴイチの整備ですか?」
「実は……」

といことで、ますたぁが39685の解体阻止の署名を
集めていることを(ひとはに話してきかせる形で)
説明する。

それを聞いたひとはが、
「なら、力になってくれそうなとこしってるですよ!」
と三次SL保存会様を紹介してくれ、
三次でハチロク整備体験。
&保存活動ノウハウの学習

かえってきて、たなばたさま。
「39685がずっと元気でいますように、と願いをかける」


けれど、願いは届かない。

39685は解体されてしまう。


********************


悪くないです。
が、バッドエンドですね。

わたくし、バッドエンドはあまり好きではありません。


――というか、ここまでを読んでくださって、

「エピソード内容が事実とちがっちゃってる!
ウソじゃん!」

と思われた方がいらっしゃるかもしれません。

のですが、これは『物語』です。
そして、『物語』とは、ウソなのです。


エピソードは、あくまで
「物語の種」であり、そこから自由に花開かせるべきもの。

それが、「物語を縛る蔓」になってしまっては、本末転倒です。


エピソードは、材料。
最適な形の筋肉に練り直し、
最善の場所に配置するための一素材です。

エピソードも、実際の時系列も、
物語の都合のため、物語を面白くするために、
いくらでもねじまげてまいりましょー!
(ただし、ノンフィクション書きたいひとは
当然ながら、絶対にこれやっちゃダメです)

そこんとこ納得できたら、
今度は「任意」で、エピソードカードを
並べ替えてみます。

……バッドエンドを避けたいので、
「5:39685が解体されてしまう」
をラストにもっていくのは無しです。

一方、ひとはに説明する形で
「39685の解体反対署名の説明」を、
というのはかなりよさそうに思うので、
エピソードとして、
「ひとは登場」は足して、
ひとはを活かしていく形はすてきかもです。

……そういう風に、カードを足したり、
あるいは削ったりしてもいいので、
どんどん並べ替えていきます。

そうしていくうち、
あ、これなら面白そうという並べ順の
アイディアが、きっとでてきます。

例えば、
『39685解体』
これをド頭にもっていくのは、良さそうだ――とか。

そしたら、そこを軸に(動かさないカードに)して、
他のを並べていく感じで、だんだんとカードを決めていく、
すなわち、構成を固めていきます。


・・・ってなところで、今回のワークです。

********************

【ワーク】

用意したエピソードをそれぞれカードにし、
カードの順番を、いい感じかな?
と思うものの並べ替えてみましょう!

カードを足したり、
二枚以上のカードをまとめたりも全然ありです。
「これならいけそう」というところまで、
カードを根気よくならべかえてみてください。

(もちろん、その結果が
「1、2、3」と時系列ままになることも
普通にあります。
その場合は「時系列でいくのがいい」可能性が高いです)

********************



わたくしもやってみて、
ひとまずは以下に落ち着けました。

********************

<5枚目・39685、解体>(<ひとは登場>も含む)

<1枚目・ますたぁ署名集め>

<3枚目・たなばた様>

<2枚目・デゴイチ整備体験&4枚目・三次のハチロク>

<なにかいい感じの落としどころ>

********************


ここまできたら、次は、
「実際にその並べ順(構成)でいけそうか」
を試験します。


その試験の名を
『ストーリーライン作成』
と、ここでは呼びます。

まぁ、さっきの例でかいた
「ざらーっとしたお話のながれを簡単な文章でまとめてみる」
だけのことのですが、
これも「やってv」といわれてすぐ出来るなら、苦労はないかと思います。


のでので、次回は
「ストーリーライン作成」の、具体的な方法についてご説明申し上げます!

ご期待ください!!
posted by 進行豹 at 23:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 製作日誌