2015年07月30日

ムーンライトながらに乗って、田上俊介さんとお会いしてきました! (中編)

 夜ですね、こんばんわ。
 
 ということで前編
http://hexaquarker.sblo.jp/article/157847328.html

 の続きです。

 田上さんにお会いするため、
夜行快速「ムーンライトながら」に乗り込む必要があったわたくしは、
新宿から小田急に乗り込みました。

「何故小田急?」というご質問には、こう答えましょう。

『青春18きっぷは、11850円で5回(人)分を使える
 JR全線の普通・快速乗り放題きっぷです』

『ゆえに、1日分の乗り放題に対する切符価格は、
 2370円となります』

『東京からながらに乗ると、23:10発なので、
 他にJRを使わないのならば、23:10-23:59までの
 49分間のために青春18きっぷを1回分使うことになってしまいます。
 それはもったいないので、日付が変わって次の停車駅
 (そこから、また新しい日付分の青春18きっぷ
 1回分が必要になる)である、小田原までの、
 東京からのきっぷ代、1490円を負担する、という選択肢が出てきます』

『しかし、新宿から小田原まで小田急を使うと、
 きっぷ代は874円で済むことになり、さらにお得となります』

『ゆえに、わたくしは小田原まで小田急を使い、
 そこからムーンライトながらに乗ることを選択したのです』

――のです!

 のですが、深夜帯の下りの小田急は、
完全に「通勤からの帰宅列車」で、旅情もへったくれもありません。
 しかも、軽度のラッシュ状態です。

 「これならば東京から乗って行って寝ちゃってた方がましだったかしらん」

と思いもしたのですが、町田を過ぎたあたりでようやっと空席が目立ち始めたので、座り。

 「やはり小田急で正解だった」と手のひらをくるり返しつつ、小田原に着。

 そのまま、日付が変わるのを待ち、窓口で青春18きっぷの1回め欄に、
「7/28」のはんこを押してもらい――

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そしてわたくし、ムーンライトながらに乗り込みました。


  ムーンライトながらの雰囲気をひとことで言い表すのなら、
『昭和の空気そのままの夜行快速』です。

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 若い乗り鉄もいれば、ワンカップを開けている中年男性もいます。
 お年を召した方の姿も珍しくは無く、親子連れもちらほらと。 

 深夜のためもあり、皆一様に無口で、
車窓を流れる夜景を楽しむ人の姿はほとんど見られません。

 ごくごく一般的な特急車両のものと変わらぬシートはもちろん、
リクライニング機能を持っています。

 後方の乗客さんに座席ごしの会釈をし、リクライニングを軽く倒して、
わたくしは、カバンの中から
『100円ショップで買ったパウダービーズのネックピロー』
と、
『amazonで買ったそこそこいいアイマスク』
を取り出します。

 幸運にも、わたくし、予約時に窓際の席をとれましたので、
背もたれはもちろん、
窓のでっぱり
07.jpg
部分にもネックピローをもたれかけさせたりもして、
非常に快適に睡眠に陥ることが出来ました。


 ・・・深夜帯には、車内放送もお休みになります。
 

 ので、車内放送から流れてくる車掌さんの声に
わたくしが目覚めさせられましたときには、
ムーンライトながらはもう、名古屋についておりました。

「小田原で寝て、目覚めたら名古屋」
魔法のような素敵さです。

 浮かれたわたくしは、普段はせぬ
『自撮り』などしつつ、

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大垣までの残り乗車時間をとても楽しく過ごしました。


 大垣からは、米原、京都と経由して、嵯峨嵐山の駅につきます。

 トロッコ列車に乗れる「トロッコ嵯峨」駅は、嵯峨嵐山駅の目と鼻の先。
 で、トロッコ嵯峨駅の横っちょには、どどん、と、

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泣く子も黙るデゴイチが静態保存されたりしておりました。

 嵯峨嵐山駅近くのホテルのティールームだと、モーニングが08:00から食べられたので、
そこで、トースト+りんごジュースで400円のトーストセットをいただいて、
08:45のきっぷ販売開始を待ち。

 販売開始とともに無事に指定・乗車券を購入し、
「良い」と評判のトロッコ列車に乗り込みました。

13.jpg

 ――トロッコ列車、なるほど評判になるだけのことはございました。

 風光明媚な緑と水との中を駆け抜けていくことはもちろん、
トンネルも実に数多く通過し、生きている鉄道トンネル内部の様子を、
窓ガラス越しではなく剥き出しに見られる! ということも、
大変嬉しく貴重な経験であると感じました。

 トロッコ列車は、やがて終点、トロッコ亀岡駅につきます。


 トロッコ亀岡駅から最寄りJR駅である馬堀駅までに関しましては
「徒歩10〜20分」というあいまいな情報しかわたくし事前入手できず。
「どうなることか」と内心不安に思っておりました。

 が、歩いて見れば
「案内看板はたくさんだし、線路沿いを歩いていくだけだし、
 距離もそんなに離れていない」ので、
見込んでいた時間よりかなり早く、馬堀駅に到着することができました。
 
 こうなってしまえば、あとは一刻も早く田上さんにお会いしたい!
という気持ちが募ります。
 が、先様のご都合もございましょうので、ともかくも
『予定通りに進捗しておりますので、
 お待ち合わせ、時間・場所ともに変更なしでお願いします!』
ということだけお伝えし、
わたくしは馬堀から嵯峨野線に乗り、
京都に戻って→尼崎→川西池田→三田、と進み――
その途中のいずれかの駅にて、
無事に、というか、お待ち合わせ時刻より早くに!
田上さんと合流することが出来ましたのです!!!

 わたくし、目印に電車Tシャツを着て行きましたので、
田上さんの方からお声をかけていただく、という
光栄にあずかることができました。

「進行豹さんですね? はじめまして、田上です」
「あ! はじめまして。進行豹でございます〜」

 初めてお会いする田上さんは、
鋭く細く、引き締まった印象の持ち主でした。
 
 その印象がどこからくるか、といぶかしめばすぐわかります。

 体――肉体です。

 黒いシャツごしにもはっきりと見て取れるほど、
田上さんの体は引き締まり、引き絞られているのです。

 そういうときの定形形容である「カミソリ」や「日本刀」
に、しかしつきまとってしまう、“刃こぼれしそう”な印象はまるでなく。
 引き締まっていながらも、決して折れそうにない強さ――
いわば、(この表現だと逆に泥臭すぎる気もするのですが)
『火掻き棒のごとき肉体』をもってらっしゃることが、
少し見れば誰にでもわかるであろうほどに、
田上さんは、鍛えぬかれていらっしゃる方だったのです。

 わたくし、そういう「なんか、すごい特化してる」方に出会うと、
かなり気圧されてテンションおかしくなってしまうのですが、
そのときばかりは、
「田上さん、なんかすごいぞ!?」
という程度の感慨を抱くのみで、
ご用件をずばりと切り出すことができました。

 なんとなれば。

『田上さんとわたくしとは、待ち合わせ時刻より早くに出会えた』

つまり、

『予定より早い電車に乗ることが許される状況下にあった』

からです。

 予定より早い電車に乗れれば、もろもろの余裕が生じます。
 なにかトラブルにあったとき、リカバリできる可能性が大きく上昇します。

「予定より早い列車に乗れるのであれば、決してそのチャンスを逃してはならない」
と――血液中の鉄分が、わたくしを激しく急き立てます。
 
 ので、ご挨拶が終わるや否やで、わたくし、田上さんにご質問申し上げました。

「あの、細かいお話はその電車乗ってからでいいですか?」

「あ、はい。もちろんです。乗りましょう」

 今考えると、かなり不躾であったような気がしないこともないわたくしのご提案を、
しかし、田上さんは文字通りにご快諾くださいました。

 結果、わたくしは、田上さんと。電車内にて、
ご挨拶やら、お互いのお仕事に対する印象やら(恐縮すぎますが!)を、
親しく、忌憚なく、踏み込んでお話し合いさせていただくことが出来ましたのです!!

 そうこうするうち、列車は終着駅に着きます。

「あ――ついたみたいですね」
「ここで乗り換えれば、あとはもう有馬温泉ですよね!」

 わくわくと浮き立つ踵を抑えこみながら、わたくしは、
見知らぬ駅のホームへと飛び出していきました!


(後編へ続く)
posted by 進行豹 at 21:42| Comment(2) | TrackBack(0) | 製作日誌
この記事へのコメント
左にいる照明さんが進行豹さんかと思ってクリックしたら違っていました。
Posted by コグレ at 2015年07月31日 16:31
>コグレさん

写真整理をしてたら、
トロッコ電車座席を撮ったどの写真にも
その方がうつりこんでいて、

「ひょっとしてドッペルゲンガーではなかろうか」

と、軽い恐怖を覚えたりいたしました。

 そして、
「このハゲ、写真撮るのに邪魔だな」とわたくしが思うときには、わたくしもまた
「このハゲ、写真撮るのに邪魔だな」と思われているであろうということに、気付きいたったりもいたしましたです(哲学



Posted by 進行豹 at 2015年07月31日 23:54
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