2015年12月10日
「まいてつ列車 ハチロク号 (試走版) アフターレポート」 〜 1:なんだかどんどん大事に
--http://hexaquarker.sblo.jp/article/169584599.htmlの続きです--
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Twitterをはじめましたら、すぐに幾人もの方が情報をくださいました。
「幾人もの方」、のほとんどは、ものべの、を通じわたくしを知ってくださった方だったり、
Lose様をしっていてくだっさった方だったのですが、そうした方のツイートを通じ、
Lose様のことも、わたくしのこともまったく知らない鉄道ファンの方が、
ご情報をくださったり――ということもございました。
この時点でもう、わたくしは「Twitterすごいな」と、びっくり仰天しておりました。
そうした情報をいただいた上で、いくつかの鉄道会社にお電話させていただき、
お話をお伺いきました結果。
わたくしは「ことでん様――高松琴平電気鉄道様がベストだ」と考えるようになりました。
そうと判断した理由は
1: 繁忙期でなく、閑散期でもない月の一ヶ月の原稿料収入くらいで、
貸し切り価格にプラスして、旅費宿泊費食費等全部をまかなえる程度のお値ごろ価格
2: 大正15年製という、ハチロクの8620と年代が近い、
かつ、めちゃくちゃかわいい1000形120号さんという電車がいる
3: ものべのと非常によく似た雰囲気の土地が、
偶然にも四国にあるので、わたくしは、四国を縁起がいい、縁のある場所と感じている
――の、三点でした。
で。
Loseの代表であるtOさんに、
「ことでん様に決めようと思います。
ので、できればその前日に、四国で店舗様イベントをやらせてくれるお店が無いかと探しています。
もし可能なら、ご情報をいただきたいのですけれども――」
と、ご相談してみたところ、
「そういうことなら、専門の方たちをご紹介しますよ」というお返事を頂戴しました。
その「専門の方たち」が、頑宣chの恭平さんと、大平さんでした。
広報宣伝の超一線級のプロフェッショナルであるお二方は、
店舗様とのご交渉を、イベント全体の知恵袋役を、
それぞれに快くお引き受けくださいました。
「これはものすごいことになりつつあるな」
と、わたくし内心、震えました。
その時点までのわたくしは、
「2〜3人しかご乗車希望がこなくても、貸し切り電車に乗れてヘッドマーク持ち帰れれば御の字だ」
とか、心のどこか片隅ででは、のーてんきに考えておりましたのです。
「貸し切り列車走らせるので、田上さんも乗りませんかー?」
「いいんですか? ぜひぜひ」
という超お気楽で極楽なノリで、
まいてつ、ものべのの背景、車輌イラストを描いてくださっている、
田上俊介さんのご同乗をお願いしておりましたくらいでした。
のですが。
恭平さんの、大平さんの、tOさんの、早瀬さんのご意見、お知恵をいただきつつ、
また早瀬さんには常にツイートでのご支援をいただきつつ、
「まいてつ列車 ハチロク号 〜試走版〜 仏生山駅発」の運行告知と、
乗車希望者さんの募集とを行いましたら――
なんと! 乗車定員である30名を大きくうわまわる、60名様近くからのご応募をいただけましたのです!!
嬉しい半面。非常に気が重くも、正直、感じました。
そこにいたるまでのTwitterでのやりとりの中で、
非常に有益なご情報をご提供くださった方のお名前や、
以前からお世話になっている方のお名前も、希望者名簿には散見されましたからです。
しかし――抽選は厳密に行わなければ、それがあとで、どんな災いを呼ぶとも限りません。
もし、災いを免れたとて、「これはズルして選んだ乗車メンバーだ」とわたくしはきっと
思ってしまい、それはせっかくの「まいてつ列車」の楽しみを減じ。
楽しみが減じた列車にのることになるみなさまに、むしろ御迷惑をおかけしてしまう――
ということは、確実であるように思えました。
ので、抽選箱に、まいてつサポーターキャンペーン参加者さんには各二枚。
そうでないご応募者さんには各一枚の、それぞれのお名前記入して二つ折りした抽選券を
ざざざと入れて――
わたくし、車で30分ほどの、実家にまで緊急帰省いたしました。
「父さん。何も聞かずにこの抽選券を30枚ひいてくれ。
もしもだぶったお名前が出たら、引き直しで」
「いいよ」
寡黙な父はもくもくと、淡々と、抽選券を引き続けます。
それをチェックし、名簿に落とし――
「ずるい! ふたりだけでくじ引きなんかして。私もっ!」
――と、突然の母の乱入も、ならばと有効抽選として。
しかるのち、30名のご乗車当選者さんが確定し――
わたくしは深い安堵とともに、ごく浅い、胃の痛みなども感じました。
「カレー、食べてくか?」
父の誘いは、あるいはなんらかの弱気が顔に、あらわれてしまったゆえかもしれません。
カレーを食べて帰宅して。ご当選の、あるいは落選のご報告メールをお出しして。
30分ほどたったあと、タイムラインを覗いてみると……
そこには、当選の喜びの声に混じって、普段からご交流いただいてる方の、
落選の、嘆きの声も、やはり流れておりました。
「申し訳ない。でも、抽選は抽選だから」と、割り切る他にございません。
もはや日程は確定し、まいてつ列車走行前日に、徳島県の南海ブックスさまでの
トークイベント&サイン会を行わせていただきますことも、おかげさまで決定しているのですから。
しかし。割りきったつもりでも。
心の奥の弱い部分はじくじくと、泣き言を囁いてくるのです。
「悪いことをした」
「残念であるに決まってる」
「これでわたくしが恨まれても仕方ない」
けれど、そうした泣き言は、本当に単なる泣き言でした。
抽選漏れをしてしまいました方々は、わたくしよりもよほど強く、
よほど前向きに――そしてわたくしと同じくらいに、
「まいてつ列車」にご期待くださり、「楽しもう」という意思を、
輝かせてくださっておりましたのです!
抽選漏れという曇りさえ、その輝きをいささかたりとも減じさせることはなかったのです。
・・・その事実をわたくしが、思い知らせていただきますのは、もう少し先の話しとなります。
そんなこんなで、あれこれが固まり、動き出し。
いよいよ出発という数日前に、tOさんから一通のメールが届きます。
「出発前に、ここまでのシナリオを上げておいてもらえると助かります」
「おおう」
わたくしは妙な声を出し、その声をすぐ噛み潰し、猛然とキーボードに向かい始めます。
「可能なら」扱いの全ての原稿をご提出し、OK頂戴できましたのは、出発前々日の夜。
連日の酷使に脳がいさささか疲れてしまっておりましたわたくしは、
倒れるように眠って、荷造りをして――ああ、もはや出発、数時間前です。
「旅先の細かな情報は、飛行機の中とかで調べよう」
と、そこも割り切り、眠りに落ちて。
そして翌朝のクラクション。
鳴らした主は――なんと実家からやってきてくれた、わたくしの母でございました。
(続)
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