2016年11月14日

「ぬいハチ物語」の書き方 〜その3:視点を決めてしまおう〜

さて。

前回

http://hexaquarker.sblo.jp/article/177647418.html

までで、あなたの「ぬいハチ物語」が、
『何を書きたくて書かれれるものか』が、
ある程度みえてきました。

「ぬいハチちゃんのキャラクターが見えた」

「ぬいハチちゃんに何をさせてあげたいか 
(≒ぬいハチ物語で何を書きたいか)が、決まった」

となると、もう書けそうに思いませんか?

「書けるぜ!」となった場合は、
それでオールオーケーです。

いきづまるまで、どんどん書いてしまいましょー!

んですが、いざ実際書こうとなって
「あれれ?」とペンが止まってしまったかたは、
いましばらく、本講座にお付き合いくださいますこと、
推奨させていただきます。

「キャラクター」
「テーマ」
の二つが決まりました。
あと必要となるのは
「舞台設定」なのですが、
これは概ね
「我々が生きてるこの世界の、現代」固定と
考えて、ほぼほぼ問題ないでしょう。

その3つの柱が立っていて、何故書き出せないのか?

それはおそらく、

『視点』が定まっていないからです。

「視点、ってなに?」というご質問には、
具体例を持ってお答えします。


*************


<物語にしたい題材>

ぬいハチロクが、ますたぁと一緒に、
まいてつステーションカフェにいった。
ますたぁはハチクマライスとハチロク(ドリンク)を頼んだ。
ぬいハチロクは“ハチロク”に興味を示し、
実際に飲んでみた。
結果、とてもおいしかった。


*************

これを物語にするとき。
一番単純に思いつくのは

「マスターの視点で書く」です。

(「日記形式」という形式でひとまず書きますが、
この辺のことは、また後日説明いたします)」


例えば、こんなですね


*************

x月○日

ぬいハチロクとまいてつステーションカフェへ。

ぬいハチロクは駅めいた内装が珍しいのか、
しきりにキョロキョロ。

“ハチクマライス”と“ハチロク”をオーダーすると、
「“ハチロク”とは、どのような飲み物でございましょうか?」
と訪ねてくる。

「実物を見てのお楽しみ」、と答えると、少しばかりのふくれ顔。

待つほどもなく、テーブルの上に“ハチロク”が。
ドクターペッパーのアイスフロート。

ぬいハチロクは「まぁまぁまぁ」と目を丸くする。

勧めればすぐにストローをくわえ、ひとくち飲むなり、

「とてもしゅわしゅわいたします。
おくすりのような匂いもほのかにいたしますが、
大変おいしうございます」

と、上機嫌。

*************


これを、
「ぬいハチロクの視点で書く」と、こうなります。


*************

x月○日

ますたぁのおともで、
「まいてつステエションカフェ」
なるお店へお伺いいたしました。

駅のような内装をしたカフェで、わたくちが
きょろきょろしておりますと、ますたぁは、なれた様子で、
“ハチロク”と“ハチクマライス”を注文されます。

“ハチクマライス”は存じ上げておりますが、
“ハチロク”、は、初耳の飲みものでございます。

「どのような飲み物でございましょう?」

とお尋ねしても、ますたぁはわらって、
「実物を見てのお楽しみ」としか答えてくださいません。

仕方がないので実物を待っておりますと、
頭を剃った駅長さんが、テエブルに運んで来てくださいます。

アイスクリンが浮いている、黒く、あわつぶが浮いては消えていく飲み物です。

少し怖い、と思ったのですが、ますたあがすすめてくださるものなら、きっとおいしいことでしょう。

おそるおそるにストローでひとすいしますと――
(パチン!)
おくちのなかで、なにかがはじめるこころもちです。

しゅわしゅわ、さわさわ。
すこぉしいたくて、あまくて、からくて――

はじめての味ですが、とても素敵な味わいです。

「大変おいしうございます」

思った通りをお伝えすれば、
ますたぁもうれしげに微笑んでくださいます。

*************


で、第三者視点。
「ますたぁでもぬいハチロクでもない、
要するに『劇中登場人物ではない、いわば神の視点』
から書くとこうなります。
(第三者視点は日記形式とマッチしないので、
これは小説形式で書いてみます)


*************

ますたぁとぬいハチロクとが、
まいてつステーションカフェにやってきた。

ますたぁは、ろくろくメニューも確認せずに注文を出す。
「“ハチロク”と“ハチクマライス”を」

ぬいハチロクは不安げだ。

「“ハチロク”とは、どのような飲み物でございましょうか?」
「実物を見てのお楽しみだ」

その答えに満足いかなかったのか、
ぬいハチロクはメニューをしきりに眺める。

ほどなく、スキンヘッドの駅長がドリンクを運んでくる。
ドクターペッパー・アイスフロート。

「まぁ、これがハチロクでございますか」

ぬいハチロクは興味津々、
ますたぁに勧められるがままに、一口を飲む。

途端、ぬいハチロクが硬直する。
ぷぁ、と小さな吐息をこぼし、
“ハチロク”とますたぁとの間に、視線を何度も行き来させる。

「とてもしゅわしゅわいたします。
おくすりのような匂いもほのかにいたしますが、
大変おいしうございます」

早口で、嬉しげな、華やいだ声。
その声にますたぁも微笑んで、ぬいハチロクの頭をぐしぐし撫ぜる。

*************


わたくしにも得意不得意がございまして、
その影響が如実にあらわれているような気もしますが、
その辺をさっぴいても、

『おなじできごとを描写するにも、
 視点が誰かによって、全然表現(と、受け取る印象)が変わってくる』

ことが、お分かりいただけるかと思います。


では、どの視点を選べばいいのか?

これは、『書きやすいの』が、絶対的な正解です。


といっても、

「書いたことないのに書きやすいのがどれかなんて、
わかるわけない」

という方が、この文書をを読んでくださってらっしゃる方の大多数かと思いますので、
実際、試してみてください。


********************

■主役 :
 あなたのぬいハチちゃん


■できごと : 
 あなたのぬいハチちゃんが、
 みかんの皮をむいたら、汁がとんで驚いた。

********************

これを、

「マスター視点の一人称」

「ぬいハチちゃん視点の一人称」

「第三者視点(三人称)」


で、さささと書いてみてください。

書けないのは途中放棄していいです。
そのスタイルが向いてない、ということがわかるだけで儲けものなので。

複数書けたら、一番書きやすかったものを、
あなたの「ぬいハチ物語」のスタイルに決めてしまって
よいかと思います。

それぞれ長所短所ございますが、
短所、いくらでもフォローできるものでございますので!!
posted by 進行豹 at 22:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 製作日誌
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