さて。
前回
https://twitter.com/sin_kou_hyou/status/799944699301593089
までで、エピソードを「おもしろそうな順」に並べることができました。
そうしたらなんと!
とあるぬいハチマスターの方から、「
こんな感じに並べました〜」という実例を拝見させていただけました
(ありがとうございます!)
それを拝読してわたくし、
『エピソードの並べ方』に関する、
とても大事なルールをひとつ書きわすれていたことに気が付きましたので(謝)
本日、まずはそちらを捕捉させていただきます。
その「大事なルール」とは、
『回想シーンは多用しない』
(回想シーン中にさらなる回想に入らない。
回想シーンを短期間に連発しない)
です。
これをやると、
てきめんに「読者が本筋をおいづらくなってしまいます」し、おいづらくなってしまったお話は、読んでもらえなくなる可能性を高めてしまいます。
「回想多用」をやってしまいそうなときの解決方法は、
「時系列を見直す」が好適かと思います。
例えば
********************
1: 今、うどんを食べている。あまりにマズイ
2: 走馬灯のように過去のおいしいものたちを思い出す
(=回想)
3:過去の美味しいものたちから、
幼馴染のことを思い出す(回想on回想)
4:怒りが湧く。あまりのマズさに文句をいおうと
店員の顔をみると、その幼馴染本人!
********************
とエピソードを並べてしまっていたら、
********************
1:「おいしい」 「これもおいしい!」
と、主人公、えびす顔で次々食べている
2: 饂飩が出ててくる。
主人公「ひいいい!?」となり、シーン転換。
(……あまりのマズさに、走馬灯を見ていたか)
と気づいて、うどんをすする。
やはりゲロマズイ。
3: こんなにクソ不味いうどんは……
と幼馴染を思い出す(回想)
4:怒りが湧く。あまりのマズさに文句をいおうと
店員の顔をみると、その幼馴染本人!
********************
と 「3」を「1」に持っていき、
『回想ではなく、現在進行系で走馬灯を見させて
それを「2」(旧1)につなげる』
とやると、時間がわかりやすくながれて、
その後一回だけの回想、となるのでスッキリします。
『エピソードの並べ替え(構成)』をやるときには、
「エピソードの並びかたによって混乱を招かないか」
「そのエピソードの並べ方は読みやすい
(時間の流れを理解しやすい・おいやすい)か」
にも注意をくばると、さらによくなるかと存じます!
で。
もちろんその辺も加味しつつ、
わたくしが前回構成したエピソード群は、
こちらとなります。
********************
<1:39685、解体>(<ひとは登場>も含む)
<2:ますたぁ署名集め>
<3:たなばた様>
<4:デゴイチ整備体験&三次のハチロク>
<5:いい感じのおとしどころ>
********************
これも一見、
「回想が連続」に見えますが、
そうならないよう工夫しているということ、
これから書いていく、
『ストーリーライン』にてご説明申し上げます。
「ストーリーラインis何?」
と問われたら、わたくしはこう答えます。
「最初から最後までを通しで書いてある、
『あらすじ』です」と。
「どうやって書けばいいの?」と聞かれたら、
こう答えます。
「
『最初のエピソードを、
次のエピソードに一番簡単につなげるとこまで
肉付けする』
『それを最終エピソードまで繰り返す』
『最終エピソードは、
【どんな終わり方をするかわかるようにまとめる】』
――の、3ステップで書けますよ」 と。
ほんでは、実際にやってみましょう。
まず、最初のエピソードと、そこからつなげる二番目のエピソードは、
********************
<1:39685、解体>(<ひとは登場>も含む)
<2:ますたぁ署名集め>
********************
です。
ひとは登場は、
「ひとはがぬいハチロクの妹とわかれば必要十分」
なので、そこはぬいハチロクに、セリフか地の文
(ぬいハチロク一人称視点なので、
地の文=ぬいハチロクの思考)
で説明させます。
と、考えますと、
1→2のストーリーラインは、
********************
(1)
さいたま市中央区役所前。
39685にはブルーシートがかけられている。
「解体工事……はじまっちゃったですよ」
「そうね、ひとは」
ぬいハチロク、妹を案じるが、案外平気そう。
ますたぁを見れば、青い顔をしている。
「ますたぁ……」
「あ、帰るみたいですよ」
ひとは、ますたぁが開いた新幹線バッグに入る。
ぬいハチロク、その前に一瞬ふりかえり、
「さようなら、39685」と呟き。
新幹線バッグに入る。
(2)
新幹線バッグ開かれる。
おうち。
ますたぁは帰宅するやいなやでPCを立ち上げる。
「おねーちゃん。マスター、なにやってるですか?」
「これは……署名サイトですね。
39685の解体阻止をお手伝いするため、
ますたぁが、お立ち上げになった署名の――」
「マスター、お詫び文書いてるですよ!」
********************
まぁ、こんな感じになるかと思います。
時系列の工夫は
「署名たちあげ」(という過去)を、
「署名サイトクローズのお知らせを書く」(という現在)
として処理し、無駄な回想を発生させていないことです。
上記のストーリーライン見本は、説明のためにかなり細かく書きましたが、
実際は(自分がちゃんとつながりと内容を把握できるなら)
もっと全然、ラフでいいです。
というわけで、以下は普段のわたくしが起こすレベルの
ストーリーラインを
『次のエピソードに一番簡単につなげるとこまで
肉付けする』
をまもりつつ、通しで書いてみましょう。
********************
「39685解体。ぬいハチロク、ひとは呆然」
「ますたぁ。集めていたネット署名クローズ。
お詫びの文書を出す」
「その打ちひしがれた様子に
『おねーちゃんとたばなたさまにお願いしたのに!』
とわめくひとは。
ぬいハチロクはたなばたの日のことを思い出す。
(回想)
無邪気なひとはの願い。
レールをつなげていきたいとのますたぁの願い。
それを見ながら、託したぬいハチロク自身の願い。
「39685が たすかりますように」
(回想終わり)
「おねーちゃん、だいじょうぶですか?」
と心配そうなひとはの声。
ぬいハチロク、自分の悲しさを抑え、
ひとはに話しかける」
「おもいだしてみましょう。
39685のためにわたくちたちががんばったこと。
それはきっと――
39685がわたくちたちに、伝え・遺してくれたことでもあるのですから」
「
「がんばったこと――
整備の勉強しに、くまがやにいったですよ!」
「そうですね、D51 140号機さんの整備のお手伝いにいきましたね」
「動輪ピカピカにするの、楽しかったですよー!」
D51 140の、48650の整備体験について話すうち、
ひとは、どんどん元気を取り戻し、にこにこ笑顔になっていく。
「おねーちゃんもマスターもまっくろになって、
みんなでわいわい整備して、とーっても楽しかったですよ!」
「ああ」
その言葉にぬいハチロク気づく
「そうですね。本当に――楽しかった」
」
「ぬいハチロク、マスターの丸まっている背中を叩く。
「笑ってください。ますたぁ」
「静態保存をされ続けるこ。
レールを、つないでもらえるこ。
そうしたこたちは、いつだって、
みんなの笑顔の中にあります」
「ですから、ますたぁ。笑ってください。
いま泣いているこのところに、
きっと、笑顔を届けて、ひろげてあげてください」
「ますたぁにはそれができると。
他のどなたが信じなくとも、
わたくしは、必ず、信じつづけます」
「ひとはもですよー!」
ますたぁ、うなずき、背筋を伸ばす。
PCを立ち上げ、なにかを書き始める。
「おねーちゃん、あれ、なんですか?
ますたぁ、なに書いてるですか?」
「わたくちにもわかりません。
けれども、きっと――
レールをつなぐ、そのための物語です」
;おしまい
********************
こんな感じです!
と、いうところで本日のワークです
********************
【ワーク】
+ あなたの構成した
「ぬいハチ物語」のエピソード群から、
はじめから終わりまでの
ストーリーラインを起こしてみましょう!
********************
ステップはみっつ。
『最初のエピソードを、
次のエピソードに一番簡単につなげるとこまで
肉付けする』
『それを最終エピソードまで繰り返す』
『最終エピソードは、
【どんな終わり方をするかわかるようにまとめる】』
だけです!
もしもうまくつなげられないときは、
構成自体を疑って、
並べ方をみなおしたり、
エピソードの足し・引きを考えたりして
なんとか解決してみてください!
次回は――
簡単に「プロット」について説明したのち、
「とにかく本文を書き始めよう」
に入りたいかな? と思います!
ご期待ください!
2016年11月19日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/177735082
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
http://blog.sakura.ne.jp/tb/177735082
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック