2010年03月23日

というわけで、もろもろ撮影してまいりました!

 前々からお知らせさせていただいておりますたとおり、
一昨日、および先日、私 取材・撮影等々を行ってまいりました。


 で。
 一日目の成果は上々でした。

 撮影内容の良さだけでなく、時間として非常に楽しくも一日目全てを過ごすことも出来ました私は、

一日目後半からご一緒させていただきましたお二方

(諸事情により、お名前をお出しするわけにはいきませんので、仮にAさん、Bさんといたします。

 Aさんは、論理に優れ、社会的に洗練された大人の方
 Bさんは、感覚に優れ、けれど非常に落ち着いた大人の方

・・・という印象で、どうぞご理解ください)

とご一緒に、二日目の取材・撮影目的地へと向かうことにいたしました。


 二日目の取材目的地と、お二方のお住まいが近かったので、

「一緒に撮影取材をして、帰りにお送りして→私が埼玉に戻る」

というのが、とてもよいプランのように思えたからです。

 
 しかし、

「その取材先・お二方のお住まいの地域」



「埼玉」とは、

“片道10時間くらいの距離”

に隔たれておりますために――

そして、私は出来れば

「休日上限1000円」の割引があるうちに埼玉に戻りたかったがために――


『時間的に強行軍にはなるが、早朝発の日がえりをしよう』


と、計画いたしました。


 そして、
 
『強行軍なのだから、少しでも時間短縮するために、
 最短移動できる経路を選ぶ(カーナビに選ばせる)ことにしよう』


と考えました。


 結果、そのルートは 『滋賀県で山越えする』ものとなりました。


『春先のドライブ、日本海側と山には残雪の危険がある』

ということ、私は(群馬県民のきゃなさんに)アドバイスされておりましたのですが、


1:滋賀県は日本海に直接隣接してない

2:琵琶湖がある県なんだから、山もそんなに高くないだろう


と感じてしまいましたがため、

「このケースでは、きゃなさんのアドバイスを無視しても大丈夫だろう」

即ち、

『山越えは余裕であるであろう』

と、自分勝手な判断をいたしました。


 結果、

sutakku.jpg

ご覧のあり様を迎えてしまいました。



 もちろん、いきなりこんなにズッポリいったわけではありません。

1:『最初は、雪が見えたら引き返そうと思っていた』

2:『ちょっと雪があった。けど、ほとんど溶けかかっていたし、
   車の轍も沢山あった』

3:『ので、「このくらいなら平気かな?」と思い、
   進んだら平気だった』

4:「もうちょっとだけ雪があった、けどかなり溶けかかっていたし (略)」


・・・という繰り返しにより、“誤った自信”を成長させてしまい――

 そして

「これはかなりの深さの雪だ」

「でも、この場所だけが山影になって解け残っているだけで、
 そこを超えた日向は、他のところと同じように完全に雪が溶けている
 (ので、ここさえ越えればなんとかなりそう)」


「うっすらとだが、車の轍も残っているし、いけるかも!?」


と考え、私は、チャレンジをしてしまったのです。


 私も、ご一緒いただいたお二方も、
“雪とは、ごくたまに降って来る綺麗なもの”
という認識ですむ地方の人間であったため、

「それは、チャレンジではなく自爆だ」

ということを、そのときには認識できなかったのです。


 そのような事情ですので、
「完全に車がスタックしてしまった」にもかかわわらず まだ雪の怖さを実感できていなかった私は、

「タイヤの下に、木の枝でもしけばなんとかなるだろう」

とも考えました。

 私が災難にまきこんでしまったお二方も、怒りも動じもせずに、
冷静に別系統の脱出アプローチを考えてくださいました。

 しかし、どの手段も上手くいかず。
 

「なにか、上手い脱出方法はないか」

と、ひとまず周辺を探すことになりました。

 で、そのように その辺を探し歩いていると――
 
『日本カモシカ(多分)の、子供の死がい』


――という、恐ろしくレアなものを発見してしまいました。
 

 私も、ご一緒いただいたお二方も、“山”に関しては
「遠くに見える、綺麗な場所」という程度の認識しか、
多分なかったのではないかと思われるのですが――

ここで一同、ようやっと、

「山は怖い場所だ」

ということを、肌で感じました。


「このカモシカを死に至らしめた原因が、まだ近くにいる/あるのかもしれない」

と、初めて実感するにいたりましたのです。

(カモシカには車にひかれたような外傷はなく、
 とても綺麗な状態だったので、なおさら気味が悪かったのです)

 
 で、
「これは無理せず救援を呼びましょう」
ろのAさんのアドバイスに従い、
JAFを呼ぶことといたしました、

 早速携帯を開くと、しかし「圏外」です。


「どうすれば」

と慌てる私に、Bさんが

「アンテナ波が回復するところまで、歩いて戻ればいいですよ」

と言って、先頭に立ち、来た道を戻り始めてくださいました。


 ここで、本当に幸いなことに――

“山道を登って来る途中で、

私 「この先って、車いけますかね?」
男性「ちょっとわからないですねぇ」

という会話をかわしていた
 風景写真をとっていた壮年の男性”

――が、心配して、わざわざ様子を見に来てくださったのです!


 地獄に仏とは、まさに このこと。、
 その男性の車に乗せていただき我々は、電波の繋がるところまで戻り、JAFを呼び、男性に篤く御礼を申し上げてお別れし――

JAFの救援車両が山深くまで登って来てくださるまでの一時間強、

三人で、あれこれといろいろなお話をいたしました。


 お二方は、ただの一度たりとも
「無謀な山越えルート」を立案・実施してしまった私を責めることなく、
むしろ私を非常に頼もしく励ましてくださいました。


 ですので、私も落ち込むことなく救援の方々をお迎えし、

「あ、自力脱出とか100%無理だった」
「雪に埋まっちゃうと、こんなに脱出困難なんだ」

と まざまざ思わせてくださいました、
まさにプロフェッショナルな救援作業と、


「山道いうんはこんなもんや。
 カーナビまかせやのうて、自分で判断せんと」

という、とてもとても身にしみるアドバイスの言葉とを、頂戴いたしました。


 で、JAFの方々にも篤く御礼申し上げお別れし――

た、そのときには既に、

『取材・撮影が出来る時間でも、体力でも無い』

状態になってしまっておりました。


 お二方のおかげで、雰囲気と精神状態はとてもよかったのですが

「体が冷え切ってしまって、疲労もしてしまっていた」

のです。

 ので、山道をゆっくり慎重に脱出したあと、
最寄りの“道の駅”にて、あたたかなうどんなどを食し、
で、ゆっくりと休んでから、

 (私の帰路を心配してくださったAさんの運転で)

お二方のお住まいの地域まで戻り、

そしてそこから、私は埼玉へと帰還いたしました。



 帰り道は、(それまでにも何度も頂戴していた)交代運転によって休ませていただけておりましたことと、

「疲れたときの休憩は忘れずに」
と、お友達からのアドバイスを頂戴しておりましたことを思い出し、
“一刻も早く帰りたい!”という焦りの気持ちをじっと抑えて、
こまめにこまめに休憩をとり、回復しながら進んだこととにより、

特に問題なく、スムーズに運転を進めることが出来ました。


 で、帰って来てほっとし、この日誌にて上記の顛末ご報告しておりますのですが――


「もし、山の天気が急変し、雨や雪が降ってしまったり」

とか

「お二方がご一緒ではなく、私が 
 『戻るより、先に行った方が近いかもしれない』
 と、逆方向に進んでしまっていたり」

――した場合には

“死んでいてもおかしくなかった”


まさに、

“遭難”

としかいいようの無い状況に、
私はご一緒してくださったお二方を巻き込んでしまったのだ、
と今更ながらに反省をしております。

 そして、そのような状況下であったにもかかわらず、
状況脱出のための最善のアドバイスと手段実行とを行ってくださり、
脱出後も一言も怒らずに、むしろ私を気づかい、フォローしてくださったお二方に、心よりの感謝をしております。


 私としては、

1:私が行ってしまった失敗を明確にし、
  二度と同様の失敗を犯さないために


2:私と同じように、
  山や雪に対する知識の無い方が、
  同様なケースに対面したとき

  「引き返す勇気と知恵」

  とを奮い立たせるための一助となることを願って


3:書くことで、心と頭の整理をし、
  心機一転し、執筆と、今回失敗してしまった
  取材・撮影の計画をたてなおしますために

本日誌、このような形で記し、また公開させていただきました。


 私が、今回得た教訓は――


一:保険会社の付帯ロードサービスの範囲は、
 「本当のアクシデント」に対して心強くないケースもある。
  一件お高いJAFの年会費も、そのサポート範囲の広さと
  サポート技術の高さを考えれば、全然安い。 


二:「行くか戻るか悩んだとき」は 『戻る』。
 「リスクを承知で進む」というのは、
 「同乗者や関係者をまきこんでしまっているバクチをする」
 ということ。
  進んだ結果がもし、吉だったとしても、
 「そのようなバクチに、人さまを巻き込んだ」
  という事実は、絶対に消えない。
  (し、その勝利経験は、より大きな失敗につながってしまうかもしれない)


三:タイヤチェーンは、普段雪が降らない地域の人にこそ、必須。


四:知らない地域を走るときは、
  「その地域の知識をもっていそうな方」
  に、ルート計画を見てもらい、確認してもらった方がいい。
  頭では、多分“自力解決できる程度のアクシデント”しか思いつけない。


五:専門家のアドバイスを、決して過少に判断してはいけない。


六:カーナビがあっても、ロードマップは必須。

 

――というあたりのこととなります。


 私は、強く反省し、また今回の出来事を非常に残念にも思っておりますが、しかし、


『この程度のダメージで、
 これだけ身にしみて役に立つ教訓を得られたのであれば、
 それは長期的には幸運であったかもしれない』

という風にも、今は思えております。


 また、

『人とのご縁が、どんなにありがたく嬉しいものか』

についても、今まで以上に深く、芯から感じることが出来たようにも思っております。


 
 今回得た教訓、
 決して忘れることの無きよう、
そして具体的な行動改善につなげていくことで、
今後の生活・創作の糧としていきたく、心の底から思っております。


 また、今後の取材においては

(ネタバレの可能性あり)注記をつけて


「この地域にくわしい方に取材・撮影・ルートアドバイスを頂戴いたしたく思っております!」

という形でのご助力、求めさせていただくかも――とも存じます。

 
 
“災い転じて福と為す”

ということわざが、

“福と成る”

では無いこと、私は非常に好きでもございますので、

今回の経験も“福と為して”いけますように、
今までよりも広く成長した視野でのベスト、今後尽くしていきたく存じます!


 本日のご報告は以上までとなりますが、
明日以降は、具体的なアウトプットのご報告ももちろん改めまして重ねていきたく思っておりますので!


 今後とも、ご迷惑でなければあらためまして! どうぞよろしくお願いいたします!!
posted by 進行豹 at 05:23| Comment(5) | TrackBack(0) | 製作日誌
この記事へのコメント
 雪山は、、、怖いっすよwwwマジで。
 しっかし壮年のおっちゃん、、、、ええ人や〜〜〜wwwこの恩はどっかで別の善行を積むしかありやせんぜ〜〜?ww
Posted by どる at 2010年03月23日 18:53
おやおや、関西出張でいらっしゃいましたか。それはお疲れ様でした。

京都にいた人間ですので、「山越え」「滋賀」の用語を聞くと「比叡山」を自然連想するのですが、そのあたりなのでしょうか。(差しさわりがあったらすみません)

滋賀、京都周辺の山間部は雪深いという印象があるですね。ともあれご無事にご帰還なによりでした。
そしてカモシカに合掌。
Posted by GoShu at 2010年03月23日 23:08
>こんどるさん

 雪山、本当〜〜に怖いですね!
 埼玉は(秩父以外は)雪とも山とも縁が薄い土地がらでございますので、本当に甘く見ておりました。
 良い経験できたと、今はしみじみ思っております。

 そして、壮年の男性の方に頂戴したご恩、

『別の善行』

を積み重ねてお返ししていく――という考え方、
拝読して

「あ! とても良い!!」

と感じましたので、そのように頑張っていきたく思います!

 すごく嬉しく心地よいアドバイス、ありがとうございます!!!!


 

>GoShuさん

 遭難しかかった地点は、恐ろしいことに

(当日は、すでに閉鎖されていましたが)
「スキー場」のある山――でございました。

http://www.hakodateyama.com/
 

 今考えると、上り途中にリフトなども確実に見ておりましたのですが、そのときは

『その重要情報を、ヒントとも警告とも理解することが出来ず、ただ直近の路面情報だけを見て』

・・・遭難未遂への道を、邁進してしまいました。

「広くを見、多くをつなげる」

ローズマリー式の思考法を私が会得できていれば、

『スキー場がある』
『雪がすごく降る山である』
『解け切っていない雪がある可能性が極大』

であること容易に想像できたかと思いますので、

かえすがえすも視野の狭さ、反省せねばならない点であると思っております。


 しかし、無事に帰還し、その教訓を得、またねぎらいのメッセージ(ありがとうございます!)を頂戴できたことでも、

『今回の取材・撮影行には、大きな成果があった』

とも、認識させていただけておりますので!

 これを糧にし、良い製作と良い成長を重ねられますよう、また頑張っていきたく存じます!

 そして、子カモシカさんには、私も心から安らかに休めますこと、祈らせていただき、また

(子カモシカさんが、そこに横たわっていてくれなければ、事態の深刻さ、甘めに判断していた危険も高いかとも存じておりますので)

心よりの感謝をささげさせていただきたくも思います。

Posted by 進行豹 at 2010年03月24日 08:39
バカもーん!!あれほど言ったのに!!

と言っても後の祭り、無事でなによりです。
スキー場なんて5月までやってる所もある位だから3月なんてまだ危険ですからね。

しかし出掛けると「必ず」すごいイベントが発生しますね。シュウ・シラカワもビックリの特異点っぷり!
Posted by きゃな at 2010年03月24日 09:38
>グンマスター・きゃな師匠

 す、すみませんでしたーーーーっ!

 でも、5月まで雪が残ってるとなると、
雪のある地方では、雪が無い季節の方が少ない、のですね。

 今度、あらためて山と雪について、ご教示いただけますと幸いです!

 そして、「人間特異点」は、懐かしい称号ですねぇ(とおいめ
 
 
Posted by 進行豹 at 2010年03月25日 08:11
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