2012年02月20日

マンガ原作とゲームシナリオと舞台脚本と小説と

 おはようございます。


 タイトルのようなことを、さっきちょっと考えました。


****

【情景】

晴れ渡っていた空が急に曇り、
女の子が不安を口にします。
と、そのとたんに稲光が走ります。

****

<<マンガ原作の場合>>

; 空、急に曇る。草、ざわざわ揺れる。
 
 柊子 「やだ……なに」

; 稲光。ド派手に。
  
 柊子 「きゃっ!!!?」

; 柊子、思わずかがみこむ。

; 間。風はまだ強く吹いている。
 
; 柊子、恐る恐る空を見上げる。その足は震えている。

***

<<ゲームシナリオの場合>>

;BG 青空→曇り空

 なまぬるい風が空を曇らす。
 不吉な予感が、柊子の唇を押し開く。 

「やだ……なに」

;EF 派手な稲光  SE 雷

「きゃっ!!?」

 不意の雷鳴。
 経験したことが無いほどの。

 震えは、風のせいではない。
 柊子の足は竦んでいた。


***

<<舞台脚本の場合>>

柊子
「いやな感じね……急に空が陰ってきたわ」

;稲妻

柊子
「きゃあああああっ!!?」

柊子
「雷……なんて大きい」



***
<<小説の場合>>

 不意に、風がぬくんだ。
 見上げれば、空の青がみるみる雲に呑み込まれていく。

「やだ……なに」

 胸のざわめきに押されるように、柊子の唇から言葉が零れる。

 刹那!

「きゃっ!!?」

 空が白い光に染まる!

 轟音。
 空気が地面がピシピシと震える。 
 
 経験のない衝撃に、柊子はひたすらに息を詰める。


 ……どのくらい時間がたったのだろうか。
 柊子はそっと、静寂に怯え空を伺う。

 稲光はもう消えている。
 安堵し、柊子は苦笑する。
 足が、完全に竦み上がっている。


――――――――――――――――

 ようするに。

「どの台詞が一番、“自然になる”か」

は、

「同じキャラクターであっても、表現のしようによって変わる」し。

「どういった“地の文”が最適であるかも、また表現のしようによって変わる」

のではないかとか思い、ちょっと試してみたくなりましたのです。


 マンガの場合、
相当自由にカメラアングルを変えての
「視覚に訴えかける描写」
が可能となるので、
余計なことは一切言わせなくて大丈夫なような気がします。
 
 地の文に相当するものは「ナレーション」となりますが、
この程度のシーンではむしろ用いるべきではないかと考えます。



 (ノベル)ゲームシナリオにおいては、
マンガ、映画ほどにの自在な視覚描写ができないので、
「誤読を防ぐ」程度には、地の文での補足描写があった方がベターかとは思うものの、
基本、台詞で余計なことを言わせなくても大丈夫かと。
 
 また、画面の助けはやはり大きいので、

「一文は短く簡潔に」
「説明すべきは、ズバっと説明」

しちゃった方が、リズムよく読んでいただけるのではないか、とも感じます。
 


 舞台は、(くわしくはしりませんが)
 脚本が演出をつけない方がベターと思いますので、
 演出意見は最低限に。

 で、舞台効果をどんどこ変えるなどということはできようがないかとも思いますので、
 台詞で情景も説明させなければならなくなるかと思います。

 “雷の瞬間には、ひどく怯えている”

 ことを示すためには、悲鳴自体も大げさにした方がベターかと感じました。


 小説。
 全部を文章で書き、視覚的な助けは一切のぞめません。
 しかし、小説を読む方は「文章を読むのが好きな方」である可能性が高く思えますので、
 描写を増やし、説明を省く傾向を強める方がエレガントであると判断しました。


――――――――――――――――


 この話は、残念ながらこれ以上には発展しませんのですが、

一:私は、そういえば「舞台用の戯曲」を
  そういう視線で読んだことがない。

  → ので、時間ができたら“どの程度を台詞で表現しているのか” 
   という視点で読んでみよう。


二:「伝わりやすい文章」には「これで万能」というものは多分ない。
  極端な話 『5さいのこにも よくわかる おはなし』
  というのは、ある程度育った人間にはまどろっこしくてたまらないし、
  その逆は完全に理解不能であろうので。

  ので「その内容を、どんな人に伝えたいのか」を
  明確にイメージすることが、多分、
 「最適の文章を選ぶ」ためには、とても重要。


・・・という二つの考えを、私、
  「上記を考えて試してみること」により、得られたように思います。


 錬電は、まぁ「私と、錬電を今まで読み続けてくれている方」に向けてのみ
書き続けようと思っておりますので、そこに特段の辺はは加えませんが。

 しかし、(短編十二ヶ月の今後の参加、リライト作品を含めた)
「以降、私がしていく表現」では、少なくとも 『二 』を意識して書いていくこと、
早速にでも試行していきたく存じます!!


 で、そんなこんなの先日の“夢路”進捗は、

 
 ++++++++

「夢路固有シナリオ2箱目の <839行>から<918行>まで
の、リライト&それに伴っての基礎スクリプトの打ち直しを完了」

++++++++++

となりましたこと、謹んでご報告申し上げます。


 で、先日一気にやろうと思っておりましたことも、
「まだ、いくらかつみのこしてしまっている」
ので、今日の進捗も、恐らくは

「ぼちぼち」といったものにとどまりそうに予感しております(すみません)

が、全体としては

「着々ともろもろ積み重なってる」

ことも確かでございますので、

どうぞ、「スムーズな進捗」を重ねるようになれますまで、
もうしばらくのご寛恕たまわれますと、とても嬉しく存じます!



 本日の御報告事項は以上までです。

 とにもかくにも、焦らず急いで丁寧に手と心と頭とを動かしまして、
各種 作劇、執筆、制作と重ねていきたく存じます。

 今日もいちにちがんばります!

 そして、みなさまの本日がたくさんの笑顔と安心と安全とあたたかさとに満ちたものとなられますこと、願います。


 お互い、よりよい今日をすごしましょーです!
posted by 進行豹 at 09:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 製作日誌
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