2012年03月24日

『星の王子さま』で学ぶ、“テキスト”の重要性 (枕草子の勉強は「十五日」の続き

 おはようございます!

 と、いうことで本日は、「いかにテキストが重要か」ということを、
サン・テグジュペリの『星の王子さま』の翻訳比較によって示してみたいと思います。

 なお、この場合の「シナリオ」は、星の王子さまのストーリー。
 「テキスト」は、その訳文といたします。


 まずは早速、各テキストを見てみましょう

――――――――――――――――

僕は、あの星の中の一つに住むんだ。
その一つの星のなかで笑うんだ。
だから、君が夜、空をながめたら、星がみんな笑っているように見えるだろう。
すると、君だけが笑い上戸の星をみるわけさ。

(訳: 内藤 濯 / 岩波書店 :1962)


――――――――――――――――


夜の空を見て、あの星の1つにぼくが住んでいて、そこでぼくが笑っている、ときみは考えるだろう。
だからぜんぶの星が笑っているように思える。
きみにとって星は笑うものだ!

(池澤夏樹訳 / 集英社 :2005)


――――――――――――――――


君が星を見上げたら、そのどれか一つに僕が住んでいるから。
そのどれか一つで僕は笑うから。
君には、星が全部笑っていることになる。
ふふっ……君には、笑う星たちをあげるんだ!

(水鏡京香訳 / 「Back Stage」 TJR : 2008
         実際の訳者は、はねさん か おるごぉるさん ?)

――――――――――――――――

 ――いかがでございましょう?


 私的には、 

 内藤訳の王子さまは 「風来坊」
 池澤訳の王子さまは 「学者」
 水鏡訳の王子さまは 「いたずらっ子」

というように感じました。 


 このように、「テキスト」は、「シナリオ」に極めて大きな影響を与えます。

 同じエピソードを書いても、その書き方ひとつで、
「エピソードの印象」のみならず「キャラクターの性格の印象」さえをも変化させてしまうのです。


 別の言い方をすれば。

 珠玉のエピソードを抜群の構成でならべた素晴らしいストーリーであっても、
「テキストがうんこなら、うんことみなされやすくなってしまう」のです。

 あるいは
 超へっぽこなストーリーでも、
「テキストがテンポよくリズム良くぐいぐい読ませるものであれば、結構良く見えてしまう」のです。

 そして、恐らく一般的には――

『読んでくださる方は、テキストとシナリオを一体のものとして扱う』

――と考えておいた方が無難ではないかと思います。


  ので。
  作劇法だけではなく。
 「作文法」についても勉強を深めることが、
 「自分自身のテキストが、直接人目に触れる物語」を書く人には、とても重要となります。


 わたくしが、今やっております「枕草子の勉強」は、
その 『作文法』の勉強の一環であり。

 今すぐには効果がでなくても、
三年後、五年後にはかならずや大きな実りとなって、
私のテキストライティングを輝かせ、
ひいてはお読み下さる方のメリットとのなるのではないかと期待しておりますので!

 どうぞ、そんな感じで、
「なるほど、その勉強もまぁ無駄ではなさそうだ」的な御寛恕たまわれますと、
とても嬉しくありがたく存じます!!


 で、その枕草子の勉強につきましては

――――――――――――――――

+「三 正月一日は」の続き(十五日の途中まで) 

http://hexaquarker.com/gakushuu_makurano.txt

――――――――――――――――

すすみまして、ともない、今までは「お手伝いさん」と訳していた「女房」を
「メイドさん」と改めましたこと、謹んでご報告申し上げます。

 と、申しますのも、今回の勉強範囲で、

<御膳にゐたる人>という新キャラが登場し。

 これは姫君の前にいるひと=お嬢様のおつきの女房、ですので
「メイド長」と訳すのが一番イメージつかみやすいように思えたのです。

 「女中頭」だとちょっと・・・なんか・・・違う気がして。

 古文なので、外来語はちょっと、と思っておりましたのですが、
「わかりやすさ最優先」ということでそのようにあらため。

 また、改行等も、ディスプレイで見やすいように――と原文よりも増やして。

 つまるとこ、「いまやう」にて、以降は進めていきたく思います!


 で。
<夢路>

――――――――――――――――
+ (2箱目分割前の後半に相当する)
 夢路シナリオ「2+箱目」の、

 815→864行までを執筆&スクリプト。


――――――――――――――――


< 短編十二ヶ月関連>

――――――――――――――――

+ プロローグ部分をリライト

――――――――――――――――


という進捗得ましたことも、あわせ謹んでご報告申し上げます。


  ものべの - すみ
『ものべの』
  

関連シナリオが特典含めオールアップいたしましたことで、
さすがに気がつけた部分があったのか、あるいは疲れがたまっていたのか、
昨日はちょっとかなり長い時間、寝てしまいましたのですが。

 そのおかげか、本日は体調も上々な感じいたしますので、
ともかくも 焦らず急いで丁寧に手と心と頭とを動かしまして、
各種 作劇、執筆、制作と重ねていきたく存じます!

 今日もいちにちがんばります! 

 そして、みなさまの本日がたくさんの笑顔と安心と安全とあたたかさとに満ちたものとなられますこと、願います。

 お互い、より良い今日をすごしましょーです!!

posted by 進行豹 at 10:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 製作日誌
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/54608703
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック