おはようございます。
先日のわたくしは、
お仕事で書かせていただきましたシナリオのセリフを御収録いただくお手伝いとして、
スタジオ、と呼ばれる、<録音をするための専門の場所>に、
半日がっつりお邪魔させていただいておりました。
基本、わたくしはお仕事のシナリオの執筆期間中は電車にもろくろく乗らず、
ひたすらにひたすらにひたすらに――
書いて→ご提出して→直しがあるようなら直す。OKなら次を書く
→書いて→提出して→
――ということを繰り返す生き物になります。
で、御収録は執筆と平行で
(決定稿となり、全セリフ確定したキャラクターの分から)ガンガン進んでいきます。
ので、いままでは、
わたくしが御収録にたちあわせていただくこと、全く無かったのです。
が、先日は
・ シナリオ関係をオールアップした
・ セリフの特殊度が極めて大きな御収録だったので、
わたくしが立ち会う方がベターであるとのご判断をいただいた
――という二条件が揃いましたため
「これたら来てくれると助かる」
みたいなおはなしをいただくこととなり。
「ほんだらだ、伺わせていただきます」
(ほんだらだ≒それならば)
という運びとなりまして、わたくし、スタジオにお邪魔させていただくことになりましたのです。
で、お邪魔して。
わたくし、大変な感銘を受けて返って参りました。
御収録いただいたセリフ群というのは、
「かつて実在し、表記はわかるが、
どのように発音されていたのかが完全に不明」
というようなものがベースになっているとお考え下さい。
その、ベース部分につきましては、専門研究などもあり。
その関連で、「こう発音されていたのでは?」という朗読CDなども
出ているようなもの――と、重ねお考えください。
しかし、その朗読はどこまでいっても「文語の朗読」であり。
実際、口語でどのように発生されていたのか・・・レベルのことになると、
完全に専門家さんでもお手上げ! な感じでございますのです。
ので、声優さんに、
「この語ってどんなイントネーションなんでしょう?」
とわたくしが仮にお尋ねいただくこととなったとしても、
「専門家さんも、 “それは誰にもわかりません”と明言されているので、
『一番フィーリングしっくりくるイントネーションでお願いします!』」
としか、お答えしようが無いのでございます。
そのこと、ご収録の冒頭でお伝えさせていただきますと、
声優さんは「わかりました」的なことを確か(*)おっしゃり、
(* わたくし、緊張でいっぱいいっぱいでしたので、記憶あやふやです)
分厚い防音扉の向こうに消えていかれました。
で、スタジオの、モニタリングルーム? というのでしょうか。
そういうところで待っているスタジオの技師さん、プロデューサーさん、
わたくしの三人のところには、声優さんの声が、響いてまいりました。
そこで、わたくしは、大感銘を受けたのです。
あのですね 例えば
「V字ハゲって……ねぇ?」
みたいな曖昧なセリフがあったとき、
それは、「どのような言い方がされるか」で、
意味がまるっきり変わってしまうではないですか。
一般的に大多数の方々は 「……ねぇ?」の部分を、
「ねぇ? 素敵よね? セクシーよね?」というような意味でご解釈くださり、
“ぽ〜っと、少し潤みを帯びたいろっぽいような感じ”に読んでくださるのではないかと
思います。
しかし、お読みくださる方に、「V字ハゲって、面白い!」みたいな
刷り込みがあったりしてしまう場合には、そのセリフは
“クスクスと、含み笑いを帯びた感じ”にお読みいただくこととなってくるでしょう。
このような「解釈のズレ」「ニュアンスの違い」につきましては、
前後のセリフや地の文からご理解・ご解釈いただくこととなります。
しかし、どーしたってズレやなにかが出てくるのではないか・・・
とわたくし勝手に思い込んでおりましたのですが、
『それが全くない』のです。
特殊な語を含むような部分についても、
実にいきいきとしたセリフが流れてきまして――
わたくしは
「声優さんとは、セリフを読むお仕事ではなく、
セリフに命を吹き込むお仕事なのだ!」
――ということを、
(今までもぼんやりと感じていたつもりではございましたが)
あらためて、強く強く、明確に! 肌で、心で感じさせていただきました。
また、懸念材料であった「特殊語」関連の部分も、
「なるほど! こういう風にしゃべられていたんだ!!」
ということを教えていただけるような感じで、
ものすごく自然でいきいきしてて……
「化石の生き物が、生身になって蘇ったのを目にしているような」
感動を、わたくし、覚えさせていただきました。
でもって。
さきほどしるしました、
「前後のセリフ」や「地の文」のフォローが得られないものもあります。
それは
「ワンキャラの、ボイスドラマの台本」 です。
ワンキャラのボイスドラマ=そのキャラの声だけで物語が構成される、
ものでございますので、
その台本に、セリフ以外に記されているものは
+ 効果音指示
+ 最低限のコメント(補足説明)
くらいのものとなります。
まして、「キャラクターのセリフ自体が特殊語べース」
となりますと、その読解難易度は極めて高いものとなるのではないかとも思われます。
しかしながら。
そのキャラクターの、ボイスドラマ台本のご収録に関しましても、
「ほんの一箇所、解釈ややこしい部分のご確認をいただき、
→そこにお返事申し上げた」
という、収録前の数秒間のやりとりがあっただけで――
「あとはもう、本当に一発でまるっと大OK」の御収録をいただくことが
できたのです!!!!
こと、そこにいたり。
わたくしは、
「一流のプロの方のお仕事って、
すざまじい精度で質で速度だ」
ということに、身震いするような感覚を覚えました。
そして、(気をつけながら書いていたつもりではあったのですが)
台本中にいくらかは残ってしまっていた
+ 誤字脱字
+ 話者違い
(【ジョン】 「困ったな、マーマレードは大の苦手なんだ」
とやるべきを
【トニー】 「困ったな、マーマレードは大の苦手なんだ」
とやってしまうたぐいのミス)
が、どれほどご収録現場にご迷惑をかけてしまうものかを、
ものすごく痛感することともなりました。
(実際のご収録では、声優さんが適時・即時で間違いのないご解釈をくださり、
大部分を止めることなく御収録いただけましたのですが、
それでも、やはり何度かは御収録中断し、
「すみません、そこ☓☓でお願いします〜」
的なこととなってしまいましたので)
そんなこんなで大感銘を受けた私は
「今後は、誤字脱字、話者違いをやらかさないよう、
いっそう注意深く執筆しよう」
ということと、
「わたくしは、わたくしにできることでベストを尽くそう。
具体的には、
少しでも良い物語を組み、
少しでも良い文章でその物語を表現していけるよう、
よりいっそうの勉強と努力を惜しまないようにしよう」
ということ、強く強く心に刻みました。
あるいは、プロデューサー様は、
「シナリオ終わったー! 書ききった!
わたくし偉い! がんばった!!!!!!!」
と思い、ゆるみまくろうとしたところに、
「一流のプロフェッショナルの仕事」がどういうものかをお見せくださることにより、
「!!!!!!? ゆるんでる場合じゃないしっ!!!!!」
と思わせてくださることも、目論まれていたのかもしれません。
そのようなことまで思ってしまうほど――
わたくしの受けた感銘は、上質で、かつ力強いものだったのです。
とはいえ。
ずーーーーーっとこもって仕事して必要なものは通販で買って――
というのを延々とやってしまっておりましたため、
わたくしのお部屋は、今、
「ダンボールに占拠されて、足の踏み場もない」
といったような状態です。
ので、今日は
「お掃除を夕方まで」
(休息)
「21日までに120%のものとして仕上げ切りたい、
わたくしの書きたい、なにものかのなにかの執筆に着手」
というスケジュールで、一日を過ごしていきたく存じます。
と、本日のご報告は以上までとさせていただきます。
とにもかくにも、焦らず急いで丁寧に手とこころと頭とを動かしまして、
各種 お掃除、作劇、執筆と重ねていきたく存じます。
今日もいちにちがんばります!
そして、みなさまの本日がたくさんの笑顔と安心と安全とあたたかさとに満ちたものとなられますこと、願います。
おたがい、よりよい今日をすごしましょーです!
2013年06月17日
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