先日は、体調ひどく悪い気がしたのですが、
鼻水を止める薬を飲んで横になって、
目が覚めてからオムレツを食べて動いてみたら調子戻ってるような感じでしたので
<マンガ原作 ある程度>
<ジャンル問わず これから書いてみたい話のメモ書き作成>
――などなどをやってみました。
で。
先日までのわたくしは

Lose 様のご新作、

『ものべの -happy end-』
のシナリオをお任せいただけましたことにともない。
「ゲームシナリオのお仕事」に、他のすべてをぶっちぎり、
全身全霊の集中をもって、鋭意取り組ませていただいておりました。
幸いにしてそちらの方、
わたくしにできるベストクオリティをもって仕上げきり、ご納品満了できました。
ので、気持ちを切り替え、今は、
「発表できる形にまとまり、
それを掲載してくれる雑誌が見つかるといいなぁ」
というレベルにて、マンガ原作を書いております。
ほぼ、一年ぶりくらいとなるような気がするマンガ原作を書いておりますと、
ゲームシナリオとの間には、(少なくとも、わたくしが書く限りにおいては)
大きな差異がある――ということを感じました。
その差異とは。
「感覚描写」です。
ゲームシナリオの場合、主人公が「何をどう感じているか」は、
地の文やセリフを使い、直接、あるいは間接に描写を行います、
主人公が「田蔵」であった場合には。
――――――――――――――――
甘い。
感じて田蔵は驚いた。
水というのはこんなにも甘いものだったのか。
あるいは、これこそが甘露と呼ばれるものであるのか。
【田蔵】
「――――――――――」
声も出さず、夢中になって小川の水を貪り呑む田蔵。
その姿を見、小夜はほっとしたように微笑む。
【小夜】
「気に入っていただけたようですね、私のふるさとを」
【田蔵】
「まぁな。夕餉が楽しみになった」
――――――――――――――――
とか
――――――――――――――――
【田蔵】
「これは!」
【小夜】
「い、いかがなされましたか? 田蔵様」
【田蔵】
「――――――――――」
貪るように。
そこの言葉を体言するが如く、田蔵は川の水を飲み続ける。
【小夜】
「ああ、甘ぅございましょう?」
【田蔵】
「っ!!?」
【小夜】
「町の水、井戸の水より、豊かなふくみがあるのですよ。
このあたりの川の水には」
【田蔵】
「――そうか」
ぐい、と袖口で口元を拭い。
田蔵は、どこかまぶしげに空を見上げる。
小夜の、ふるさとの空。
それは小夜に似て、さみしげなほどに澄み切っている。
【田蔵】
「ならば、夕餉も楽しみになるというものだ」
――――――――――――――――
とかとか。
「田蔵が、川の水を、甘いと、美味しいと感じた」
ことを描写するのは、
『シナリオが書くべきであり、シナリオにしか書けないこと』
であると思うのです。
なんとなれば、
1: このようなシーンはイベント絵を用意するほどのものではない
2: 「水を旨いと感じている立ち絵表情差分」
的なものをいちいちつくっていたら、ゲームが完成しなくなる
ように思われるからです。
ので、シナリオレベルで、そのように直接・間接の描写をし。
最も適切な立ち絵をハメていただき(あるいはあえて立ち絵を使わず)。
そこに、ボイスやBGMや演出の力をいただき、その描写の説得力を高めていただく――
のが、もっとも良い表現となるように、
わたくしとしては思う所でございますのです。
が。
マンガ、においては
「すべてのコマが新規の描きおろし素材」
となることが、大原則として確定しております。
また
「作画・演出はすべてマンガ家さんのお仕事」
ともなるので、
『書きすぎ、語らせ過ぎないで、
マンガ家さんの解釈にお任せする方がベターな部分 』
が、確実に出てくるように思われます。
ですので、上記、例示したシーンは、
マンガ原作であれば、
――――――――――――――――
田蔵、川の水を呑む。夢中。
小夜
「? 田蔵様?」
田蔵
「ああ、いや」
田蔵、照れ隠し。
田蔵
「夕餉が楽しみになった。――そう思うてな」
小夜、微笑。
――――――――――――――――
で、必要十分であるかと、わたくしとしては思いますのです。
「夢中」であることをどう表現するか。
「照れ隠し」がどのような仕草か。
「微笑」は、何を思ってか。
――それは全部、マンガ家さんにお任せしたほうが、
「キャラクターの息遣い」が、より生々しいものになる」
ように、わたくしは思っております。
(もし、マンガ家さんが
「??? なんでたかだが川の水をそんなに夢中に呑むんだ?」
みたいな疑問をお持ちになられた場合には、
その旨ご質問いただいたあと、
あるいはネーム見せていただいて
「ああ、伝わってなかった」と感じた段階で、
ご説明・ご修正すればいいかと存じます)
作劇とか、文章作成というのは――
「無限に存在する、
『書き得るものたち』から、「あえて書かないこと」を選びとり。
そこに残ったものから、物語を浮き立たせる」
――という行為であるように、2013/06/20現在のわたくしは思っております。
で。
「何を書かないか」の判断基準が、
ゲームシナリオの場合よりもマンガ原作の方が多くなるので、
「ゲームシナリオよりも、マンガ原作の方が、書く分量が圧倒的に減る」
のに
「難しさ、頭使う度合いは、ゲームシナリオもマンガ原作もほぼ変わらない」
・・・のだなぁ、と、先日〜本日のわたくしは、痛感しております次第です。
この気付きは、死ぬ気で『ものべの -happy end-』に取り組まなければ
得られなかったものであるように思いますので、
その気づきと経験とを、マンガ原作の方に活かし。
そして、そこでまた新しい気づきを得ることができましたら、
それを、次のゲームシナリオの方に活かしていく――――
みたいなサイクルを作れるようになったらいいな、とか、
ちょこっと思っております感じてす。
しかし。
未来のことを見ようとしすぎて足元が疎かになっては全く意味ございませんので。
今日はともかく。
「書きかかってるマンガ原作を、
ひとまずは一本分だけでも仕上げきる」
ことを必達目標とさだめ、そのために時間と集中力とを注ぎ込んでいきたく存じます。
焦らず急いで丁寧に手とこころと頭とを動かしまして、
作劇、執筆、製作の方、きっちり重ねて参ります。
今日もいちにちがんばります!
そして、みなさまの本日がたくさんの笑顔と安心と安全とあたたかさとに満ちたものとなられますよう、願います。
おたがい、よりよい今日をすごしましょーです!